[2] The New Annotated Sherlock Holmes
「The New Annotated Sherlock Holmes (ISBN-13: 978-0393059168/ 978-0393058000)」は、シャーロック・ホームズ大辞典とも言える、注釈付き全集。シャーロックのファンなら見逃すわけにはいかないだろう。
と言う自分は、購入時、正直、シャーロック・ホームズを一度も読んだことがなかった。巷にマニアが存在していることは知っていたが、成人女性が関心を持つ分野でもなかろうと思っていたからだ。
その自分が、大胆にもこの特別セットを、ほぼ衝動買いに近い形で手に入れた訳は、単純にハンサムな外見が格好良かったからだが、それに加え、注釈付きというのも魅力だった。英国のビクトリア時代の生活様式や社会背景に詳しくなかった自分にとって、この注釈はとても役に立った。
一言で英語と言うが、米国に長く住んで思うのだが、英国で使われる英語、そして米国で使われる米語は、もちろん重なり合う部分も多いが、文化、歴史の違いから発生する、互いにとって全く意味の不可解な単語も多くある。又、言語の使い方、単語の用い方には、英語には英語の、米語には米語の特徴がある。
この本の注釈は、シャーロック・ホームズと、英国ビクトリア時代の専門家として知られている、Leslie S. Klinger によって書かれている。注釈自体、結構な長さで丁寧に説明されているため、各ストーリーの背景について詳しく知ることができる。
又、この本では、シャーロック・ホームズの作品全てが掲載されているだけでなく、シャーロック・ホームズの作家であるSir Arthur Conan Doyle の人生や、ビクトリア時代についても紹介されている。その上、架空の人物であるシャーロックと、ワトソン医師の人生、作家Sir Arthur Conan Doyleの人生、実際の英国での出来事、欧州での出来事、そして世界での出来事を、年表で比較できるようにもなっている。
一冊5-6 cm の厚みを持つこの本は、寝る前に軽くベッドの上で読むには重すぎるが、シャーロックのファンだけでなく、英国ビクトリア時代を研究している方にも役立つであろう。
大人のためのシャーロック・ホームズ全集。私にとっては、一生物の本となりそうだ。
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