[1] At Home with Books


まず、何から紹介しようかと、今自分の座っている机の周辺を見渡してみると、数え切れない数の本に囲まれて生活していることに気付く。これでも購入した殆どの本を隣にある教会に寄付するなどして、処分して来た結果なのだが、それにしても本の数は多く、その回転はかなり早い。

私にとって本の多くが、参考書と言うよりは消耗品であるため、その時々、関心のある分野の本を読み漁り、納得したら、次に関心を持った分野の本を読み漁るといった具合につきあっている。それゆえ一旦、どうであれ消化したと判断した本を、いつまでも自分の身の回りに置き続ける事は、自分の過去の残骸と共に暮らしているようで、誠に気分が悪くなる。本の処分を定期的に行っている理由は、ここにある。

そういう私に、プライベート図書館なるものは栄久に作り上げられないと思うが、本に囲まれて暮らしている人の様子や、他人のプライベート図書館、本棚を見ることは、単純に楽しめる。
そこで、「At Home with Books: How Booklovers Live with and Care for Their Libraries (ISBN-13: 978-0517595008)」という本を紹介したいと思う。

多少なりとも本好きな人なら、ページをめくるだけで、その魅力に惹かれ、時間がたつのも忘れてしまうほど見入ってしまうだろう。
紹介されているプライベート図書館には、西洋の有名、無名を問わず、本に囲まれて暮らしている人々のものを紹介しているが、中には骨董古書書店のものから、Chatsworth コレクション、はたまたRolling Stone のメンバー、Keith Richards のものまで掲載されている。
どれもこれも個性的なスタイルで本を飾り、本と共に暮らしている様子が伺え、インテリアデザインの本としても十分楽しめる。
中には本の中に埋まって生活しているような人もいて、本好き人間独特の、危ない境界線上に生きている人すら垣間見ることが出来る。
そうした各人と、その本について解説されているのに加え、本の収集家が知っておかなければならない、本の扱い方、整理の仕方、収集の始め方等も解説されていて参考になる。又、製本や蔵書票についても簡単に紹介されている。

本好きには魅力が詰まった一冊。是非一度、ご覧あれ。

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