[7] The Persephone Biannually


The Persephone Biannually は、英国の小さな出版社、Persephone Books から定期発行されている情報誌。
この出版社については、「Miss Pettigrew Lives For A Day」について紹介した際に、軽くふれたが、20世紀初頭に初版されたまま忘れ去られていた、主に英国の女性作家の作品を再出版している。
当時の英国社会を反映した作品が多く、20世紀初頭の社会について関心のある人なら興味を抱く内容となっている。
この出版社の本の特徴は、外装は薄いグレーで統一され、表紙を開くと、各作品独自に選ばれた、20世紀初頭の英国テキスタイル・デザインが施されていて、とても美しい。その上、出版社から直接本を購入すると、そのテキスタイル・デザインと同じ栞が付いてくる。とても女性心をくすぐる演出だ。この出版社の本を収集している熱狂的ファンも少なくない。

的を絞った出版に加え、世界中の顧客に向けて定期通信を郵送し、顧客の目をそらせない工夫がされている。
この情報誌の表紙は、作品の時代を反映した絵画や写真が用いられ、見る者の興味をそそる。
内容は、まず最初に近く出版予定の本の紹介がされる。ここで紹介された本に用いられるテキスタイル・デザインの栞が、この情報誌と一緒に送付されて来るのも嬉しい。この紹介部分では、本の粗筋だけでなく、この本が初版された時のエピソードなども一緒に紹介されており、面白い。初版時の本の表紙写真や、関連するイラストや写真などもふんだんに挿入され、眺めているだけでも楽しめる。
次に、この出版社の扱う作者のショート・ストーリーが1、2作載せられている。これによって読者は、色々な作者のスタイルに触れることができる。
新しく出版される作品だけでなく、過去に出版された作品のリストと、作品の簡単な内容についても紹介し、新聞記事やブログ記事に掲載された、この出版社の扱う本の書評の一部を取り上げ、他の読者がどのように作品について感じたかを分かち合えるようになっている。
最後に今後のイベント、パーティの日時紹介などがされ、それらの様子は電子メールのニュースレターを通して購読者に後日紹介される。

小さな出版社ならではの、きめの細かいサービス。
毎月本を1冊、自動選択して送付するサービスも行っている。コレクターには嬉しい限りだ。

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