[35] 電子書籍


数年前から、米国の書店で電子書籍専用の端末機を数種、手に取ってみるが、手に取るたびに、こんなものを購入する気が知れないと、全く相手にしていなかった。
ところが、数ヶ月前、店頭に並ぶiPad 2(タブレット)を手にした途端に、大げさに聞こえるかもしれないが、全く世界観が変わってしまった。これまでコンピューターのスクリーンでは、どうしても読んでいるという気にさせてくれなかった、電子化された書籍や雑誌らが、タブレット上では新しい存在として、鮮明に生き返ったかのように見えたからだ。
ハードカバーの本と同じくらいのサイズの端末機を、手にとって見るという、本や雑誌を読むことに近い姿勢で接することができるのは、想像以上に私の感覚に訴えかけた。

そこで、電子書籍やその類いのアプリを、いくつか紹介しようと思う。

日本の美しい四季と暦にまつわる話が、大変美しいイラストや写真、日本画と共に紹介されているのが、「くらしのこよみ」という 平凡社の開発したアプリ。あまりに美しく、眺めているだけで気持ちが安らぐ。

DUO Production Co., Ltd. から出ている「SushiCulture 寿司 Guide」というアプリは、日本語ですら時々あやしくなる魚の名前を、英語で表記しているだけでなく、寿司を食す際のマナーや、寿司屋で使われている専門用語などが英語で掲載されている。海外で寿司は、食通のシンボルとの如く、至る所で寿司屋を見かけるようになったが、日本でも海外からのゲストに寿司を説明する際に、とても役立つこと間違いない。ちなみに、このアプリは、他の寿司関連のアプリとは別格の美しい写真も魅力のひとつだ。

Zinio は、電子雑誌の書店。数年前にネット上でサービスを開始し、米国では、電子雑誌の書店として中心的存在となっている。欧米の雑誌だけでなく、最近は、アジア諸国の雑誌も徐々に取り扱い始め、日本の雑誌やNHKのテキストブックも買えるようになった。鮮明な画像、文字のサイズを自由自在にさせることができるなど、紙以上の便利さと美しさをもった電子雑誌は、瞬く間に浸透していくに違いない。

英文学の古典を無料でダウンロードすることのできる manybooks.net と Internet Archive (archive.org/details/texts) は、数が豊富で、多種のファイル形式が用意されている。

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