[17] Pocket Oxford American Dictionary & Thesaurus


現在、私にとって最も使い易い辞書が、この「Pocket Oxford American Dictionary & Thesaurus [Third Edition] (ISBN: 978-0199729951)」だ。
これまでその時々で、自分に適当だと思われる英英辞書を何冊も使ってきたが、この辞書はその中で一番優れている。

フォントのスタイル、サイズ、紙質が良く、とても見易い。単語の解説は的確、簡潔、且つ分かり易く、解説の意味を調べる為に二度びきする必要もない。類語が単語の解説直後に記載されていて、理解を深めるのにとても便利だ。その上、必要な単語には、使用方法やスペリングの注意点も記載されている。コンパクトなサイズながら、必要なものがしっかり収まっていて、日常使いに大変適している。

ここ数年、電子辞書やネット辞書の手軽さから、書籍辞書を全く使わない人も少なくないだろう。
しかし、電子辞書やネット辞書では、単語力はつかない。これは、はっきり言える。ササッと調べられる電子やネット辞書の便利点が、逆に単語力増強を妨げてしまうからだ。

書籍辞書は、まず、調べたい単語を頭の中でスペリングしながら、その単語が載っているページを開かなければならない。この数秒の手間が脳に与える刺激は、とても重要だ。
そして、ページを開くと、調べようと思った単語だけでなく、その周辺の単語も同時に目に入る。これが、電子やネット辞書では得られない、貴重な体験となる。スペリングの似た単語、意味が関連している単語、スペリングが同じでも全く意味の異なる単語、たまたま目に入った単語とその意味など、辞書を開いて読むことで、拡大する単語力は比較にならない。

又、ネット辞書の場合、クリック一つで調べられるが故に、意味を「見て」も「読んで」いないために、すぐに忘れてしまう。これは、ネット情報全てに言えることかも知れないが、脳はネットの文書を見て処理していても、書籍類のように読んで処理していないのではないだろうか。そんな感覚を私は持つ。それ故、大量の文書をネットで処理している割りに、身に付かない。

それから、欧米では辞書を読むのは珍しくないが、日本では辞書をひいても、読むと言うのは一般的ではないようだ。
ここで紹介した辞書は、読んで楽しめる、読み始めたら止まらない辞書だ。
関心のある人は、本屋で手にとって試してみてはどうだろう。

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