[20] The Making of Victorina Values
米国と英国は、同じ言語でありながら全く別の世界を各々に持っているだけでなく、時の流れ、時間の感覚が全く異なる。
これほど似ている国も無いのに、これほど異なるのかと、あるいは反対に、かなり異なると思っていたのが、意外にも共通点があったりと、この両国を客観視する際、驚くことに事欠かない。特に歴史認識に関しては、米国民の無知さと、英国民の歴史に執着する関心度の高さが、端から見ればコメディのようにさえ見えてしまう。
実際、英国のEddie Izzardというコメディアンは、かなり歴史に通じている人物として知られており、両国の文化、言語の違いと共通点を舞台に持ってきて、観客を笑わせ続けている。
特に近年、サンフランシスコで行った彼の舞台「Dress to Kill」は、米国で大好評となり、彼の活躍の場は英国に限らず、米国にも広がっている。ちなみに、米国は移民の国とは言えども、他国と変わらず、自国優先主義であるがゆえ、英国の優れた人間が米国で表立って活躍し、表彰されるには、まだまだ敷居が高く、特に英国アクセント(上流階級のアクセントだけでなく、地方独特のアクセント)に対し、強い拒否反応を持つ米国人の数は多い。
話が脱線してしまったが、そんな米国と英国の共通点はと言えば、突き詰めると、「人間」である。米国という国が、英国の領土であった歴史を振り返れば当然とも言えることだが、やはり同じ親から生まれてきた人間だと思わずにはいられない。
その共通点を、歴史を見比べて描いたノンフィクション作品が、Ben Wilson著「The Making of Victorina Values (ISBN-10: 1594201161)」である。
この書では、1789年から1837年にかけての英国の一般市民について紹介することで、20世紀後半から21世紀初頭の米国をデジャヴのように浮き彫りにさせている。
人間は時代が変わっても、ここまで同じ行動を繰り返すものかと、驚愕を隠す事が出来ない。
歴史は繰り返す。人間に成長と言うものがあるのだろうか。
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